英語原文からの翻訳です。訂正歓迎します。
東京のデパートの屋上に鎮座する神社
革製品売り場を過ぎ、最上階の天ぷらカウンターを過ぎ、エレベーターに乗って、ほとんどの客が押さない、あのボタンへ——「屋上(おくじょう)」と記されたボタンだ。扉が開くと、平らなコンクリート、換気塔、ひとりでうなる自動販売機、そして低い朱塗りの門をくぐれば、そこには現役の神社(じんじゃ)があり、数階下では街全体が息づいている。
最上階より、さらに上のボタン
多くの人は反対の方向へ——地下の食品売り場(デパ地下、地下)へと下り、箱詰めの菓子に囲まれて足を止める。屋上は、デパートのもうひとつの引力だった。三越(みつこし)が一九〇〇年代初頭、日本橋店の上に、東京で最も早い時期の屋上庭園のひとつをしつらえたとき、屋上は家族の目的地になった——小さな動物コーナー、ずらりと並ぶコイン式の乗り物、ペットショップ、宵が暖かくなると開くビアガーデン。母親たちがベンチに腰かけ、子どもたちは小銭を使った。
乗り物はまばらになり、動物たちもほとんど姿を消した。食品売り場へと客を運ぶエスカレーターや、子どもを屋内へ引き寄せるゲームセンターに、割に合わなくされたのだ。残りがちだったのは、最初に据えられ、最後に動かされるもの——神社である。メリーゴーラウンドなら、店は週末のうちに撤去できる。だが神(かみ)を遷し、社を閉じるのは、小売業者が軽々に下せる決断ではない。だから鳥居(とりい)——俗なる地と聖なる地の境を画すこの門は、たいてい周囲のすべてより長く生き残る。
屋上に、実際にあるもの
日本橋三越本店(にほんばしみつこしほんてん)の屋上には、三囲神社(みめぐりじんじゃ)の分社がある。エスカレーターが現れる何世紀も前、創業者である越後屋の商人たちが信仰した向島の社だ。慎ましい木造の社に、石の狐が一対ほど、プランターの陰にひっそりと収まっている。眺めだけが目当てなら、気づかず通り過ぎてしまうだろう。誰もが写真に撮る獅子は一階の入り口に座っている。神社のほうは、宣伝もされず、屋上でひっそりとたたずんでいる。
松屋銀座(まつやぎんざ)の屋上には、朱塗りの鳥居の奥に小ぶりな社が収まっている。パラペットに近く、中央通り(ちゅうおうどおり)の低いざわめきが賽銭箱の上まで立ちのぼってくる。伊勢丹新宿店(いせたんしんじゅくてん)はやり方が違う。屋上は緑あふれる庭園「アイ・ガーデン」で、社は剥き出しのコンクリートではなく、刈り込まれた木々と季節の花壇のあいだに佇む。いずれの場合も、その規模は家庭的だ——物置小屋より小さな社が、手入れされ、掃き清められ、階下でレジが回りつづけるあいだも、まったく急ぐことなくそこにある。
店は一日を売り、社は一年を守る。
小銭と、鈴と、二拍手
作法は短く、どこでも同じだ。賽銭箱(さいせんばこ)に歩み寄り、硬貨を投じる。定番は五円(ごえん)玉——「ご縁」と同じ響きだからで、縁やつながりを意味するこの語呂合わせが、はした金をよき縁への願いに変える。鈴緒があれば、一度引く。編まれた布の綱の先には鈴(すず)が下がり、その乾いた音は、神に届くと同時に、参る者の頭のなかをも澄ませてくれる。
続いて、神社での定型の所作——二礼二拍手一礼(にれいにはくしゅいちれい)。深く二度お辞儀をし、右手を左手より少し下にずらして胸の高さで二度手を打ち、両手を合わせて願いをこめ、もう一度お辞儀をする。一分もかからない。見ている者はなく、直してくれる係員もいない。火曜の午後、そこに集うのは鳩と、ひとりの喫煙者だけだ。
邪魔をせずに訪れるには
入場券もいらず、行列もない。屋上はただ店舗の最上階であり、営業時間中は開いている——おおむね朝十時から、閉店の午後八時ごろまで。ただし天候次第で、雨の日やイベント貸し切りのときは閉まることもある。松屋銀座は銀座駅(東京メトロ銀座線・丸ノ内線・日比谷線)のA12出口に直結し、三越は三越前駅(銀座線・半蔵門線)の上に建つ。伊勢丹は新宿三丁目駅(丸ノ内線・副都心線・新宿線)から屋根つきの通路でつながっている。エスカレーターではなくエレベーターに乗り、「屋上」あるいは「R」のボタンを押す。
訪ねるなら平日の午後がいい。屋上が、数人の喫煙者と、ベンチでコンビニ弁当を頬張る誰かのものになる時間だ。ひとつだけ心得ておきたいのは、歩く筋道のこと。鳥居の中央、そして参道の中央——正中(せいちゅう)は神のために空けておくものだから、くぐるときも賽銭箱に近づくときも、端を歩く。門の前で一礼し、祈っている人ではなく空と貯水タンクにレンズを向ければ、レジの喧噪の上になおも残る、東京でいちばん静かな一角にたどり着いているはずだ。
屋上に神社があると知る人は、意外と少ない。
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