英語原文からの翻訳です。訂正歓迎します。
終電は一本じゃない――日本の鉄道の「夜の終わり」を読む
新宿駅、中央線のホーム。午前0時まであと数分というころ、発車標が告げる意味が少しずつ変わりはじめる。次のオレンジ色の電車の行先は三鷹。西の郊外まではまだずいぶん手前だ。さらに後の発車の横には「最終」の二文字が、しばしば色を変えて表示されている。10分ほど前から、周りの人々はゆるやかな人混みであることをやめ、一本の列になった。今夜自分のベッドで眠れるかどうかは、スマートフォンの時計よりも、この発車標を正しく読めるかどうかにかかっている。
終電が示すのは、時刻ではなく行先
終電とは最終電車のこと。旅行者はこれを、路線が止まるひとつの瞬間として捉えがちだ。だが実際には、大きなターミナル駅を出る最後の数本は、途中で折り返す短い区間運転であることが多い。つまり新宿を最後に出る電車と、あなたの駅に本当にたどり着く最後の電車は別の列車で、ときにかなり時間が離れている。見るべきは時計ではなく「行先」の欄だ。三鷹止まりの遅い中央線快速は、国分寺に泊まる人にとっては役に立たない。より遅く出発し、救いの一本に見えたとしても。
多くの路線では、いつもより長くドアを開けたまま、車掌が同じ一文を繰り返す。耳で覚えておく価値がある。
この電車は、本日の最終電車です。
今日はこの一本で終わり、という知らせだ。駅員がホームを歩き、ときには手提げのランプを持って、ドアの周りに誰もいないことを確かめてから発車させる。ドアを押さえる人や乗車の遅れが重なる夜には、終電が時刻表より数分遅れて出ることも多い。ただ、その余裕を当てにした計画は立てないほうがいい。
先に閉じるのは乗り換え
帰れなくなるもっとよくあるパターンは、乗り換えでつまずくことだ。たとえば恵比寿で夕食をとり、ホテルは吉祥寺の近くだとする。JR山手線で渋谷へ出て、京王井の頭線に乗り換えることになるかもしれない。そうなると夜の行方を決めるのは山手線ではなく、井の頭線の最終発車だ。JR、地下鉄、私鉄はそれぞれ独自にダイヤを組んでいる。ある事業者の線路から別の事業者の線路へ乗り入れる直通列車は、深夜になると両者の接続駅で運転を打ち切ることが多い。夜8時にはある行先を掲げていた電車が、同じホームで、深夜0時にはもっと手前の行先を掲げていることもある。
日本の乗換アプリは、これを逆算で解決する。Yahoo!乗換案内、ジョルダン、ナビタイムにはそれぞれ終電検索があり、たいてい「終電」と表示されている。目的地からさかのぼって、今いる場所を出られるぎりぎりの時刻を教えてくれる。調べるのは会計が来てからではなく、まだメニューを開いているうちに。答えは、体感していた夜よりも早いことがあるからだ。
最後の30分の風景
金曜の夜、新宿、渋谷、池袋を出る最終電車は、一日のうちでも指折りの混雑になる。居酒屋から出てきた会社の同僚たち、学生、そしてこの計算を何度も繰り返してきた人々。ほのかにビールと焼き鳥の煙が匂う車両で、ドアに押しつけられて立つことになると覚悟しておこう。JR東日本の駅にあるNewDaysのような駅ナカの店は終電前に閉まることが多いので、水は改札を通る前に街のコンビニで買っておくといい。
最後の30分に潜むもうひとつの落とし穴が、ICカードのチャージだ。券売機でSuicaやICOCAにチャージするには基本的に現金が必要で、改札にいちばん近い機械には、同じ瞬間に同じことをしようとする人の列ができる。降りる駅では、途中で残高が尽きた人たちが精算機の前に二つ目の列をつくる。夜の早いうちに券売機かコンビニのレジでチャージしておけば、最後の移動はただ改札を通り抜けるだけになる。
終電が出てしまえば、駅はあなたと一緒に待ってはくれない。多くの出入口にシャッターが下り、駅員が残った人に退出を促し、コンコースは始発まで閉ざされる。
それでも乗り逃したら
タクシー乗り場はたいてい主要な出口から案内が出ていて、大きなターミナル駅では終電が出てまもなく行列ができる。深夜はメーターに深夜割増が加算される。適用時間や割増率は地域によって異なるので、車内の表示を確かめるか、街を横断するような長距離の前に尋ねておこう。GOアプリなら正規のタクシーを呼べて運賃の目安も表示されるので、乗り場の列が長いときや、通りに車が見当たらないときに頼りになる。
朝までたどり着くもっと安い方法が、ネットカフェ、いわゆる漫画喫茶だ。快活CLUBやマンボーといったチェーンでは、個室ブースを時間単位やナイトパックで借りられる。リクライニングチェアかフラットマット、ドリンクバー、店舗によってはシャワーもある。写真付き身分証での会員登録を求める店が多いのでパスポートを持ち歩くこと。週末の夜は、大きな駅に近い店舗ほどブースが埋まると考えておこう。もっとにぎやかな選択肢なら、ビッグエコーやカラオケ館といったチェーンのオールナイトカラオケ。学生たちが「オール」と呼ぶあれだ。ナイトパックとその料金は受付カウンターに掲示されている。
新宿や上野、大阪・難波のカプセルホテルも同じような客層を受け入れているが、土曜の夜に空きベッドがあるとは限らない。何を選ぶにせよ、始発は夜明け前に動き出す。その時間のホームは、いわば終電の静かな再演だ。コンビニのコーヒーを手にした人々が、黙って電車を待っている。
夜を見越して計画する
終電は後回しにせず、夕食と一緒に計画しておこう。時刻表は平日と土休日に分かれていて、最終の発車時刻が両者で異なることもあるので、出かける夜に合ったページを確認すること。近年は終電を繰り上げた事業者もいくつかあり、古いブログ記事は当てにならない。信頼すべきは、JR東日本、東京メトロ、Osaka Metro、あるいは各私鉄など、事業者自身のサイトに載っている時刻表だ。大都市を離れれば夜はもっと早く終わり、京都では電車よりずっと早い時間から、多くの市バス路線で本数が減っていく。
大晦日には終夜運転を行った路線もあるが、その規模は年によってまちまちだったので、思い込まずに12月に出る事業者の発表を確かめよう。避けるべき過ちはひとつ、あの新宿の発車標の前で起こりうる過ちだ。自分の方面の最後の一本だからと「最終」と表示された電車に飛び乗り、その行先が自分の駅より先かどうかを確かめないこと。まず行先を読み、時刻はそのあとに。両者が食い違ったら、行先を信じること。
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