英語原文からの翻訳です。訂正歓迎します。
青い点がずれる国で:中国の地図、住所、地下鉄出口の読み方
上海の徐家匯(徐家汇、Xújiāhuì)駅。エスカレーターを上がるとコンコースに出て、頭上の案内板には出口が番号で並ぶ。その番号は優に十を超えて続いていく。スマートフォンによれば、目当ての麺の店までは4分。ただし、その4分がある特定の階段から数えたものであること、ほかの階段はショッピングモールの中か、五本の道が交わる交差点の向こう側に出てしまうことまでは教えてくれない。
どの地図を開くか
この国を歩く人の大半を導いているのは、二つの国産アプリだ。Amap(高德地图、Gāodé Dìtú)と百度地図(百度地图、Bǎidù Dìtú)。どちらも使うべき地下鉄の出口を名指しし、多くの都市では次のバスがおおよそいつ来るかも表示する。Amapは最近のバージョンで英語インターフェースを備えているが、どこまで英語になるかは端末の言語設定に左右されることがあり、メニューが切り替わったあとも地名は漢字のまま残ることが多い。
意外な伏兵はAppleのマップだ。中国本土では現地の地図データを利用しているため、通りも地下鉄の路線も正しい位置にあり、漢字の横に英語の表記が添えられる。Googleマップは、ローミング接続かVPNがなければそもそも読み込めず、掲載情報は薄く、青い点は実際に立っている場所から数百メートル離れたところに落ち着くことがある。中国本土の地図は国が定めた座標のずれを含んで描かれており、海外のアプリがすべてそれを補正しているわけではない。航空写真に切り替えると、道路が建物からずり落ちる。
検索は英語ではなく、漢字で
道を誤るきっかけの多くは、英語での検索にある。「Zhongshan Road」と打てば、アプリは推測するしかない。中山路(Zhōngshān Lù)は青島にも、厦門にも、南京にもあるからだ。声調記号のないピンインも、わずかにましな程度にすぎない。上海で「yuyuan」と入れると、豫園(豫园、Yùyuán)と愚園路(愚园路、Yúyuán Lù)の両方が返ってくる。頭の一文字が違い、互いに数キロ離れている。
代わりに、漢字を貼り付けよう。落とし穴になりやすいのはホテルだ。国際チェーンの中国語名は英語名と響きが似ていることがまずなく、運転手も検索窓も、たいていは中国語名のほうしか認識しない。出発前に、予約確認書から滞在先それぞれの中国語名と住所をメモにコピーしておく。レストランなら、大衆点評(大众点评、Dàzhòng Diǎnpíng)の掲載ページがいい。外食の前に多くの地元の人が確かめる口コミアプリで、その住所欄はそのまま地図にコピーできる。
住所の組み立て
中国の住所は大から小へと進む。市、区、通り、番号、そして建物と階。覚えておきたい字は、路(lù、通り)、街(jiē、街路)、そして号(hào、建物の番号)だ。上海ではこれに弄(lòng)が加わる。大通りから入る番号つきの路地で、その中に独自の家屋番号がある。だから住所に番号が二つ並ぶことがあり、どちらも意味を持つ。
長い通りは方角ごとの区間に分けられ、それぞれの区間が別の通りとしてふるまう。南京東路(南京东路、Nánjīng Dōng Lù)と南京西路(Nánjīng Xī Lù)はどちらも上海地下鉄2号線の駅で、あいだに人民広場(人民广场、Rénmín Guǎngchǎng)がある。北京では、建国門内大街(建国门内大街、Jiànguómén Nèi Dàjiē)と建国門外大街(建国门外大街、Jiànguómén Wài Dàjiē)が、かつて城門が立っていた場所の両側に延びている。一文字落とせば、逆方向へ長い道のりを歩くことになる。
階は地上を1階として数える。つまり2F、すなわち二楼(èr lóu)は階段をひとつ上がった階で、B1は地下階、モール内のレストランの多くがここにある。大きな建物の真ん中に落とされたピンは、どの階か、どの入口かについては何も語らない。
駅よりも、出口がものを言う
大都市の地下鉄駅は広い。北京は出口をAからDのアルファベットで示し、さらにA1、A2と細かく分ける。上海は番号、広州はアルファベットを使う。探すべき字は口(kǒu、出入口の「口」)。C口はC出口、3号口は3番出口だ。現地の地図アプリは乗換案内のなかで出口を名指しする。そのたった一文字は、横に表示された徒歩の所要時間よりも価値がある。
駅は界隈であり、出口こそが住所である。
北京の国貿(国贸、Guómào)は1号線と10号線が交わる駅で、東三環路と建国門外大街の交差点の真下にある。間違った角に上がってしまえば、立て直すには地下道か歩道橋、あるいは複数の信号待ちが必要になる。改札を出る前に、周辺の通りを示した壁の地図と、出口ごとに目印や通りの名を並べた案内板を探そう。案内板は黄色であることが多い。それでも歯が立たなければ、サービス窓口へ。係員は一日じゅう同じ質問に答えている。qǐngwèn, C kǒu zěnme zǒu——すみません、C出口へはどう行けばいいですか。
请问,C口怎么走?
最後の数百メートルを歩く
街区は地図から受ける印象よりも大きく、幹線道路は中央分離帯に柵が続いていることが多い。北京の長安街(长安街、Cháng'ān Jiē)では、渡るというのは多くの場合、地下通道(dìxià tōngdào)、つまり地下道を見つけることを意味する。ほかの場所では天桥(tiānqiáo)、歩道橋だ。階段があり、ときにエスカレーターもつく。現地アプリの徒歩ルートはこれらを織り込んでいる。目測で引いた直線は、織り込んでいない。
もうひとつの障害が、住宅団地の小区(xiǎoqū)だ。その中にあるカフェやゲストハウスは、門が二つか三つある塀に囲まれた街区の真ん中のピンとして表示され、掲載情報にはたいてい正しい門が記されている。北门(běimén、北門)か、南门(nánmén、南門)か。碁盤の目に築かれた北京では、口頭の道案内も同じ流儀だ。wǎng běi zǒu、北へ歩いて。だから地上に出たとき、自分がどちらを向いているかを知っておくと役に立つ。歩き出すときは、歩道と車道のあいだのレーンに気をつけたい。電動スクーターが双方向に走り、ほとんど音を立てない。
出発前に、そして避けたい失敗
アプリは自宅で、自分のWi-Fiを使ってインストールし、一度開いておく。機能によってはログインに電話番号を求められ、番号なしで何が使えるかはバージョンによって異なる。アプリに用意があれば、都市ごとのオフライン地図をダウンロードしておこう。ローミングの電波は、いちばん必要になる地下深くの乗換駅で細くなりがちだからだ。そして宿の住所は、リンクではなく、漢字表記のスクリーンショットとして持ち歩く。
運賃、始発と終電、運行の変更は駅に掲示され、各都市の運営事業者が公表している。北京地下鉄も上海地下鉄も公式のアプリとサイトを設けており、確かめるならそこだ。地図上の営業時間は店側や利用者が入力したもので、古くなる。店に直接確認するか、ホテルのフロントに電話を頼もう。平日の朝と夕方の早い時間帯は、どの乗り換えにも相応の時間が上乗せされる。上海虹橋(上海虹桥、Shànghǎi Hóngqiáo)から出る列車に向かうなら、アプリの見積もりに余裕を足しておきたい。
避けたい失敗は、小さく、ありふれている。通りが見えているし、あとは上でスマートフォンが何とかしてくれるからと、最初に目に入った出口から出てしまうことだ。コンコースで立ち止まる。アルファベットか番号を見つける。それから、上がる。
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